HandBrakeで複数ファイルを一括変換するなら、最初に代表ファイルを短く確認し、同じ条件で扱える入力だけを一つのグループにします。その後、出力先とファイル名、音声・字幕、タイトル数をジョブごとに確認してからキューを開始します。
対象は、自作の映像、所有している動画、または使用許諾を得た動画やDVD・Blu-rayバックアップで、すでに読み取り可能なものです。HandBrakeはコピー保護を解除せず、DRM付きファイルを処理しません。公式の入力元説明にもこの範囲が明記されています。元ファイルは上書きせず、変換先は別のフォルダーにしてください。
まず「同じ設定でよいファイル」を分ける
一括変換の前に、入力を用途と性質で分けます。たとえば家庭用カメラの動画、画面収録、DVDバックアップを同じグループにすると、画面比率、フレームレート、音声言語、字幕の条件が異なることがあります。
各グループから代表ファイルを一つ選び、次を決めます。
- 再生先とコンテナ。MP4が必要ならMP4出力の選択手順でコーデック、音声、字幕の条件を確認する。
- 画質優先かサイズ上限か。固定品質と平均ビットレートの違いを先に決める。
- 必要な音声言語、コメンタリー、通常字幕、強制字幕。音声・字幕トラックの確認手順をチェックリストにする。
- クロップ、表示比率、フレームレートが入力ごとに違わないか。例外は別グループにする。
Previewは、Sourceの短い範囲で設定を試す機能です。代表ファイルの確認には使えますが、一つのPreviewが正しく見えても、グループ内の全ファイルや目的の再生機器まで証明したことにはなりません。
フォルダーとディスクのTitleを混同しない
HandBrakeのQueue公式説明では、複数の単一Title動画が入ったフォルダーを一つの仮想Sourceとして開けます。ただし、対象は選択したフォルダーの直下にある動画だけです。サブフォルダーは再帰的に取り込まれません。また、この方法はDVD、Blu-rayなどのディスク形式やディスクに似たフォルダー構造をまとめて読む方法ではありません。
DVDやBlu-rayのように一つのSourceに複数のTitleがある場合は、そのSourceを開いて必要なTitleを選び、まとめてキューへ追加できます。ただし、Title番号だけで本編、特典、テレビ番組の話数を判断しないでください。再生時間や冒頭の場面を確認し、処理対象を記録します。
| 入力 | キューへ追加する前の確認 |
|---|---|
| 普通の動画フォルダー | 直下の対象ファイル数と、サブフォルダーの取りこぼし |
| 複数Titleのディスクバックアップ | Titleごとの内容、再生時間、必要な話数 |
| 設定が違う例外ファイル | 通常グループから外し、個別に追加 |
プリセットは固定トラック一覧ではない
プリセットを選んでも、最初の動画で見えた音声・字幕トラックが他の動画へそのまま固定されるわけではありません。Custom PresetsとAudio and Subtitle Defaultsでは、プリセットが保存するのはSourceごとに適用される選択ルールだと説明されています。
言語タグがない入力もあります。JapaneseやEnglishのルールだけでは必要なトラックが選ばれない場合があり、UnknownまたはAnyを含める判断が必要です。パススルーできない音声にはフォールバックエンコーダーが使われる場合もあります。したがって、少なくとも種類の異なる代表ファイルで、AudioとSubtitlesの実際のリストを開いて確認します。ルールに合わないファイルは、スキャン後に手動で直してからキューへ入れます。
これらのプリセットと音声・字幕ページは公式サイト上でdraftと表示されています。設定概念の確認に使い、ボタン名や画面配置はインストールした版で確認してください。
出力名は「完全なパス」で重複を探す
自動命名を有効にし、Source名とTitle番号またはファイル番号を含む形式にします。公式キュー資料は、複数TitleのジョブでTitleを含めることで上書きを避ける手順を案内しています。自動ファイル名の資料には利用可能な項目がありますが、このページもdraftです。
自動命名だけを絶対的な重複防止と考えず、キュー全体で次を読み合わせます。
- 出力先が元ファイルの場所ではなく、今回専用のフォルダーか。
- 出力の完全なパスが一つずつ異なるか。
- 既存ファイルと同名になっていないか。
- Source名が同じ別フォルダーの入力を混ぜていないか。
- 期待したジョブ数とキュー内の件数が一致するか。
Editしたジョブは必ずキューへ戻す
キューのジョブをEditすると、そのジョブはメイン画面へ戻り、キューから外れます。修正後はもう一度Add to Queueを実行します。これは公式キュー手順で明示されています。
開始前に、最初、途中、最後のジョブと、音声・字幕が特殊なジョブを開いて確認します。出力パス、Preset、Title、Audio、Subtitles、Croppingを見ます。キューは複数ジョブを並べる仕組みであり、この手順から並列処理や高速化を保証することはできません。
小さなグループを完了させてから残りを流す
最初から全ライブラリーを開始せず、同じ条件の少数ファイルを一つのグループとして完了させます。完成後は、映像が最後まで開くこと、必要な音声・字幕、画面比率、ファイル名、保存先を確認します。より広い保存検証はバックアップファイルの検証手順を使ってください。
問題があればActivity Logを保存し、該当ジョブの設定とSourceの検出結果を比較します。修正した代表ファイルが通ったら、同じ条件の残りを開始します。それでも、全ジョブの完了状態と例外ファイルは最後に個別確認します。
残りをキューに入れる前に、試しに出力したファイルのチャプターを確認しておきましょう。名前に加え、目的の場面に移動できるかも確かめます。
根拠と限界
官源は2026年11月4日に確認しました。本稿は公開資料を使った編集手順であり、HandBrakeを実行して速度や成功率を測定していません。実ディスク、光学ドライブ、テレビ、各種プレーヤーもテストしていません。キューがサブフォルダーを再帰処理すること、同一プリセットが全入力で同じトラックを選ぶこと、自動命名があらゆる重複を防ぐことは保証しません。